サクラ@発達障害(ASD/ADHD)

発達障害/うつ病/不眠症/心身症/PTSD/精神障害者健康福祉手帳3級

アスペルガー女子が性被害にあいやすい理由を考えてみた

この度の台風被害で、避難所での性被害が問題に上がっています。狙われるのは子供や女子などの弱者。今回の台風に限ったことではありません。2年前の熊本地震の際、女の子が被害にあいましたが、加害者は罪に問われていません。許せない事態ですね。(参考:(「娘の傷は一生消えない」避難所での性被害の闇 把握10件、相談できず潜在化も 熊本地震2年|https://www.nishinippon.co.jp/item/n/404493/

 

こういうニュースを見ると、自分自身の過去に知人からレイプされたトラウマが蘇ります。もう何年も前のことですが、未だに傷は癒えません。性被害は、その場の苦痛だけでなく、被害者の尊厳を奪い、心を一生蝕み続けます。

 

今回はアスペルガー女子と性被害について書きます。

 

アスペルガーASD自閉症スペクトラム)女子は、性被害にあいやすい性質をもっています。相手の意図を読むことが苦手なので危険を察知できない、というのが一つの原因。そして他にもたくさん原因があると思うので、以下に記載します。

 

まず、私自身のレイプ被害について書きます。数年前のこと、当時いじめにあっていたため、心が弱っていましたが誰にも相談できずにいました。もともと友達が少なく、親との関係も微妙で孤立していました。そんな中、昔からの知人に食事に誘われ、それほど仲の良い相手ではなかったけれど、寂しい気持ちを抱えていたので誰でも良いから会いたい、と思い誘いに乗りました。

 

食事の後、相手の家でお茶しないかと誘われ、正直疲れていたので断りたかったのですが、ノーと言えない性格のため、誘いに乗ります。家に入るなり襲われました。やめてほしいと何度も言いましたが、相手は笑って、強引に私を押さえつけました。腕力では勝てないし、怖いし、強めに拒否したらどうなるかわからないので、恐怖から無気力になりました。決して同意ではありません。殺されたくないから、代わりに自分の心を殺す。本当に悲しいことです。

 

なぜこういうことが起こるのか?

 

アスペルガー女子の下記のような特性が原因している:

 

  • アスペルガー特有の、情報を取り込みすぎてしまう性質から、相手の話していることを聞き取るのが精一杯になり、今後の展開を予測するのが難しい。例えば「この後うちでコーヒー飲まない?」と言われた際、相手の家に行ったら起こりうることがその場ではシュミレーションできない。
  • 怒られたり拒否られたりする経験が人一倍多く育ったため「ノー」と言えない性格になりがち。先ほどの例でいうと、そもそもコーヒーに付き合いたくなくても断れない。
  • 突発的なことが起きるのが怖い(他人の表情が変わるだけで動機や息切れを覚えるほど)ため、性行為を強要させられた際、何も言えなくなってしまう。
  • 孤立しやすいため、誰でもいいから話しかけてもらえるのが嬉しい
  • 実際、孤立しやるいため、被害にあっても相談相手がいない
  • 人に拒否られて育ったため、自己肯定感が低く、被害にあったのは自分のせいであると思い、自分のみを責めてしまう。
  • 発達が遅いため、性行為の強要が犯罪であることを認識していない
  • 女友達がいない(いたとしても自分の悩みをうまく相談できない)ため、ガールズトークなどで、男性の不適切な行動がどういうものか、という議論をしたことがなく、悪いことをされても気付けない
  • 膨大なストレスを抱えていて、弱っているため、正常な判断ができない

 

加害者はどういう考えで犯行に及ぶか:

 

  • 加害者は、気の弱そうで、断れなそうで、レイプしても周りに言えなそうな相手をそもそも選ぶ。こういう卑劣すぎる人間は実際にいるのです。
  • アスペルガー女子の変わった挙動を見て、加害者は「こいつならいける」とターゲットに選ぶ
  • 相手を傷つけても自分の性的欲求を満たしたいという自己中心的な考え方をしている
  • 相手に一生のトラウマを負わせる行動をしていると気づいていない

 

アスペルガーの特性を持った女子をあえて狙う卑劣な人間は存在します。アスペルガー女子自身は、素直で優しい人が多いため、そういう人間がいるということが、発想できません。

 

まずはこういう人間がいる、ということを、アスペルガー女子(&女性たち)に伝えたいです。親御さんも是非教えてあげてください。性教育は日本ではタブー視されがちですが、できるだけ早いうちから性について学ぶことこそ、悲しい事件を防ぐ鍵となります。

 

子供の頃から拒否される体験をたくさんするアスペルガー女子は、自分に自身がなく、人との接し方に困惑しています。加害者のような人間が存在することや、自分がどんな目で見られているのかなど、定型発達の子が本能的に分かることも、アスペルガーの場合、言葉にして教えてあげないと分からないことがあります。

 

「自分を守れる人間に育つこと」 こそ、アスペルガー女子の課題だと思います。これは私自身にも言えることです。だからこそ仲間たちに伝えたい。